「(ん…あれ。あたしいつの間に眠って…)」
「(…! み、身動きが取れない…! 何で身体縛られて…しかも口にテープまで…!)」
「おはよ。まぁそんなに焦るなって、もう一人のあ、た、し?」
「(!? な、何で…。目の前に、あたしがいる!?)」
「ま、経緯はいろいろだけど。とりあえず本物のあたしにはここで…大人しくしててもらうかんね」
「この夏の気温じゃ、1時間と持つかなぁ…なんて!」
「(…!)」
「ほれ、初星水でよけりゃ置いてくよ。その格好で飲めたらいいけどねっ」
「この部屋なら誰にも邪魔入らねーと思うから…んじゃ、せいぜい頑張れよー♪」
「(ちょっ、嘘…! 状況が飲み込めねーんだけど…! 誰か…P、助けてっ…!)」
『…確かに、状況証拠的にも月村さんではなさそうですね』
「当たり前でしょ。私が盗み食いするように見える?」
「あら、どうしたの? あんまり良くない雰囲気みたいだけど…」
『おや、咲季さん…。実は学園から貰った試供品の"特製ハツボシエキス"なんですが、ここに置いてた瓶がいつの間にか無くなっていて』
「特製ハツボシエキス…? 初めて聞くドリンクね」
「最近、新発売されたんだって。もっとも一部の人しか手に入ってないらしいけど」
『そうですね。飲むと自身の複製を一時的に生み出し、ライブやレッスンで同一のアピールが二重に行える逸品です』
「へー…。その試供品を、手毬が勝手に飲んじゃったの?」
「は? だから飲んでないから。今日はまだ背脂ラーメンしか口にしてな…あ」
『…それについては後で問い詰めるとして。問題は、一部製造日の物に自主回収の知らせが来てたんです』
『何でも"悪意を持った自身の複製を生み出す恐れがある"と。もしここに置いておいた試供品が回収の対象物で、誰かが既に持っていって飲んでいたとしたら…』
「想像したくないわね…あ、勿論わたしは違うわよ? わたしに必要なドリンクはSSDだけだもの!」
『でしょうね。しかし月村さんでもないと…』
「だったら、飲んだのことねでしょ」
「そう言えば、今日ことねの姿を見ないわね…」
『…とても嫌な予感がしてきました。藤田さんを探すのに力を貸してくれませんか?』
「ええ、勿論!」
「P。そのドリンクで出来る複製と本物って、どう見分けるの? 複製って事は、完璧に同じコピーなんでしょ」
『むむ…確かに』
「…あっ、Pお疲れ様で〜す♡」
『ふ、藤田さん…! そんなところに…!』
続きはpixivに。
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